手塩皿(teshio-zara plate)
これまで一貫して独自のテクニックによる”和"のガラスを追求してきました。
ガラス工芸において、幾何学模様を表すことは、比較的容易です。
しかし、エナメル彩色ではなく、ガラスのみで日本的で繊細な柄やストーリー性のある具象デザインを表すことは、非常な困難を伴います。
これを実現したのが、この手塩皿シリーズです。
※これらの作品群は、全て手描き・手作業で制作しています。プリントではありません。
また、エナメル彩色ではありません。neither enamelized nor printed
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more pictures 他の手塩皿作品は、こちらをクリックしてご覧ください
⇒「2017年更紗小紋硝子展vol.W」⇒こちらをクリック、もしくは、うつわや季器楽座さんのウェブサイトをご覧ください
茶碗(tea cups for tea ceremony)
手塩皿の技法を更に発展させた作品です。
いずれも2014年1月の第3回更紗小紋硝子展に展示したものです。
茶碗のような形状のものに、繊細な柄を形を崩すことなく融かし込んでいくことは、当初、不可能だと思っていました。
しかし、試行錯誤を重ね、長い工程を経ることでようやく完成にたどり着きました。
文様を構成する色ガラスは透明ガラスでサンドされており、内外どちらの側から見ても同じように光が透過する文様を鑑賞することができます。
These are on the next phase of Teshiozara's tech.
Both sides(face & back) are firepolished.
⇒「2017年更紗小紋硝子展vol.W」⇒こちらをクリック、もしくは、うつわや季器楽座さんのウェブサイトをご覧ください
モールド・グラス(molding/casting glass)
耐火石膏の型を使用する技法です。
ガラス粒(カレット)を耐火石膏の型の中で溶かします。
型から取り出した後の研磨に手間がかかります。
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パートドヴェール(pate de verre)
ガラスの細かいパウダーを型の中で溶かして成形していく、フランスのアールヌーボー期に発展した技法です。
その中でもいくつかのテクニックパターンがあります。
日本では、上記のcastingをパートドベールと称している例が多々見受けられますが、両者は異なります。
パートドベールは、かなり難易度が高くなります。
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吹きガラス(blowing)
和ガラスの原点、江戸ガラスを再現しようとしました。
江戸時代に書かれた原典も調べました。
しかし、江戸時代のガラスは超クリスタル、つまり、鉛の含有量が極めて高く、現代に再現するのは環境上無理だとわかりました。
低融点の鉛の含有量が高いため、江戸期のガラス溶融のための熱源は、備長炭で事足りました。
しかし、鉛を使わないとなると熱源が問題となります。
結局、コークスを使用することにしました。
炉、坩堝、バッチ等、全て自作しました。
非常に味わい深い作品が出来上がります。
しかし、あまりにも体力を使うこと、粉塵や一酸化炭素の吸引等、健康上問題があることなどから、現在は製作を休止しています。
I try to make old style blowing glass works like in Edo era's(about 200 years ago).
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坩堝(melting pot) |
溶融炉(kiln) |
グラス(glass) |
ステンドグラス(stained glass)
手塩皿の技法を応用し、更に、絵付ガラスを複数枚重ねることで奥行を演出しています。